はじめに
突然ですがみなさんはストレスが原因で太ったことはありますか?
私は高校生の頃大学受験のストレスから、それほど食事量は増えていないにも関わらず体重が62kgから70kgまで増えたことがあります。
一般的にストレス太りはコルチゾールやレプチンといったホルモンの増加が原因で起こる言われており、
「糖質から脂肪への変換促進」と「食欲増進」の相互作用によって太るとされています。
ただ一方で、ストレスでやつれて体重が減少するという話もよく耳にします。
摂食障害や自律神経失調症のような病気を発症した為に体重が減少したという話も多い気はしますが、
「健康に問題はなかったが気が付いたら10kg痩せていた」というようなパターンも度々見られますね。
ということで今回は、いくつか論文を探してみた結果、ストレスと体重に関する割と面白い論文を見つけられたのでそれを簡単にざっくりと紹介していこうと思います。
あ、言い忘れていましたが
私が読んだ論文は全てマウスでの内容になりますのでご容赦下さい。
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読んだ論文(出典)
他にもいくつか読みましたが今回紹介するのは
論文①:慢性ストレスモデルとしての社会的過密はマウスの肥満を増進させる
1.En-Ju D Lin, Meng Sun, Eugene Choi, Daniel Magee, Colin Stets, and Matthew J During. 2015. Social overcrowding as a chronic stress model that increases adiposity in mice. Psychoneuroendocrinology. 51: 318–330. [PMC free article]
論文②:慢性ストレスは脂肪性肝炎を誘発するが、マウスの内臓脂肪量を減少させる
2.Yun-Zi Liu, Ji-Kuai Chen, Yi Zhang, Xia Wang, Shen Qu, and Chun-Lei Jiang. 2014. Chronic stress induces steatohepatitis while decreases visceral fat mass in mice. doi: 10.1186/1471-230X-14-106. [PMC free article]
論文③:C57BL / 6Jマウスにおいて慢性拘束ストレスは社会性を損なうがマウスの社会的認識および空間記憶は損なわない
3.Mohd Aizat Zain, Vijayapandi Pandy, Abu Bakar Abdul Majeed, Won Fen Wong, and Zahurin Mohamed. 2018. Chronic restraint stress impairs sociability butnot social recognition and spatial memoryin C57BL/6J mice. doi: 10.1538/expanim.18-0078. [PMC free article]
ざっくり内容紹介・結論
論文①
マウス達を過密状態にしてストレスを与える
↓
体重:変化なし
脂肪:増加
摂餌量:変化なし
論文②
電気ショックや拘束状態によるストレスを与える
↓
体重:減少
脂肪:内臓脂肪は減少
:肝臓内脂肪は増加(脂肪肝を発症)
摂餌量:減少
その他:レプチンは増加 コルチゾールは変化なし
論文③
拘束状態にしてストレスを与える
↓
体重:減少
まとめ・考察
まずこれらの論文を読んで驚いたのは「体重増加」という段階を一度も経ず、横ばいあるいは減少傾向のみが観測された点です。
当初私は
初期:「ストレスによりコルチゾール増加」→「脂肪増加 筋肉減少」→体重変わらず
後期:筋肉の量は限られているのでいつか「筋肉の減少量 < 脂肪の増加量」となる→体重増加
(ついでにレプチンの食欲増進効果も体重増加を後押し)
というストーリーを思い描いていたのですが、実際には
摂餌量の減少にも関わらず、脂肪代謝能力が減少した為、脂肪蓄積が促進される
という事しか分からないみたいですね(筋肉量の変化に関する論文も探したのですが残念ながら見つかりませんでした)。
まあ一先ず
ストレスで脂肪が増加する
という結論には至れたので論文を読んだかいはあったかなと思います。
欲を言えば、基本マウスは栄養の整った餌しか与えられていないので、もっと色々な種類の餌の趣向性まで掘り下げられたら面白そうだと思いました。
さいごに
当ブログでは方向性が迷子になっているので、皆さんが見たいと思っている記事のジャンルについて教えてくれると嬉しいです。
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